搾取の縮図

私が就職氷河期で就職した会社は、大手SIerの子会社でした。
人間関係にはとても恵まれましたが、異常残業とスキルを身につけられる案件に当たる確率が低いという意味では、ブラック企業に属していたかもしれません。
数年在籍しましたが、親会社のプロジェクトの隙間隙間に入れてもらって、案件ごとに業務もプログラムの種類も変わって、なかなか系統だった知識体系が身に付かず、転職を意識するようになり、転職サイトに登録していると、スカウトメールで案件を自由に選べるという謳い文句に釣られて転職をしました。
しかしながらその会社は、ひ孫受けの下請け会社で、確かに面接さえ受かれば好きなプロジェクトに入れるし、親会社がないので、嫌になったら、取引先を切ってでもプロジェクトから抜けられるという意味では、当時の理想の職場でした。社長が太陽のような人で今でも愛着があります。
その会社に勤めている頃、官公庁の案件→大手コンサルA→大手SIer B→その子会社C
子会社Cが人員を募集→中堅派遣D→中堅派遣E→私が就職した会社Fに話が来て、私は当時スキルを身につけたいという立場上、中の下のスキルだったのですが、子会社Cは結構な単価で私を受け入れました。


私がアサインされた案件をプロジェクトZとします。
プロジェクトZは、子会社Cの社員Pと私ともう一人30代前半のQさんの三人体制でした。
ところが、Qさんは、全く成果物を作ることができず、Qさんの担当分も私が開発し、Qさんは、システム理解もままならない状況でした。
しかし、なぜか男気のあるQさん、本番導入が深夜になるので、「俺に任せろ」とばかり、Qさんが客先へ赴き、システム導入を行いましたが、徹夜の挙句、失敗し、翌日私が対応しました。
官公庁の職員を前に、A社の担当者はどこの馬の骨とも知らないQさんと私を引き連れて、A社が開発したかのごとく導入するのです。


プロジェクトZでは、2ヶ月弱の期間、ほぼ私だけが働き、私には人並み以下の賃金のみしかはいりませんでしたが、この案件に官公庁は一体いくら支払ったのでしょう。
この搾取の図式は、現在、何十億単位でオリンピック関連、コロナ関連で起こっているのだろうなと思い感慨深いものがあるのでした。
どうりで所得税と地方税が・・・

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