職歴なし還暦ニートは不幸なのか? -本編-

はじめに

前回の記事の続きになります。



「還暦ニート」は「不幸」なのか?

私は「還暦ニートは不幸なのか?」と時々思い出したように考えます。


そこに、「人間とは?」「人生とは?」という哲学が多分に含まれている
からだと思います。


世の中には、この世は苦痛に満ちているという「厭世主義者」という人たちがいます。
最近は、できることならば生まれてこなければよかったという「反出生主義」という
考えも、勢力を拡大しつつあるようです。


ショーペン・ハウアーという哲学者の言葉にこんな言葉があります。

「幸福に生きる」ということは「あまり不幸でなく」すなわち「苦痛が少なく生きる」という意味に解すべきものである


このショーペンハウアーの幸福論から考えると、「還暦ニート」は、「幸福」であると言えます。


しかし、「還暦ニート」は「涙が止まらない」と言います。

スティーブ・ジョブズ最後の言葉


死に際して、スティーブ・ジョブズでさえも後悔していると言います。
(これが、本当なのかはわかりません。誰かの捏造の可能性もあります。)


ただ、病気になって、死を意識した時、多くの人は
自分の足りたことに目をやることができず、満ち足りないところを嘆くと思われます。


実は、自分も、ある病気の疑いで検査をした際、検査結果を待つ間、
死んでしまうかもしれないと思ったことがありました。


その時、様々な後悔が押し寄せて悲しくなり、些細な日常が突然輝きました。
(似た話、聞いたことありませんか?)
疎ましかった家族までも愛おしく感じたものです。


でも、危機を脱して、我に返ると「トカトントン(熱狂から醒める)」なのです・・・

再び「一霊四魂」へ

一霊四魂 - Wikipedia


前回の一霊四魂に沿って、考えてみます。
人の魂は、四つの魂と一つの霊で構成されているという考え


ある人は3:1:1:1の割合
ある人は1:2:1:3の割合など様々


荒魂・・・行動的。外向的な人は荒魂が強い。


和魂・・・平和や調和を望み親和力が強い。


幸魂・・・人を愛し育てる力。


奇魂・・・理を求めて探究する。


人生の終わりが見えた時に、
自分の人生で、成長できなかった魂が、駄々っ子のように泣き出すのではないか?
(インナーチャイルドの考え方も同じことのような気がします)


というのが私の推測です。


4つの魂を全て成長させるのは、困難です。
でも、(著しく)成長が遅れた魂は、やっぱり、定期的に自分の表層に出てきて
悲しみを爆発させて、涙を流すやらで、訴えてくるのではないか?
終焉に際して、それは顕著に起こるのではないか?


なので、「還暦ニート」の中の「行動的な荒魂」が「冒険したかった」と、
涙を流したのではないか?


誰の中にも「行動的な荒魂」が、息付いていて、冒険を渇望するのかもしれません。


冒険家の名言13人26選【人生の冒険へ】 

「(エベレストへ)次に行ったら本当に死ぬ」という恐怖に囚われながら、「じゃあ止めるのか? また何もなかった頃の自分に戻るのか?」と考えると、僕にはそっちのほうが怖かった。


なんだか、焼けるような強い想いですね。
こういう魂の叫びをスルーしたまま過ごした時に
人生の終焉において、涙(悲しみやあるいは怒り)となって表出するのだと思いました。


なので、もとの記事で述べた
人が死ぬ時に一番後悔することとして「冒険しなかったこと」が一番多いというのも
なんだか、頷けてきます。


そうです。ほとんどの人は、冒険なんてしないですから・・・


逆に、スティーブ・ジョブズは「冒険すればよかった」というニュアンスではないですね。
もっと家族と過ごせばよかったというようなことを言っていますね・・・
四魂のうちの「家庭を大切にすることが、幸福感につながる、幸魂」が、
後悔しているのかなと思いました。


スティーブ・ジョブズも、再び元気になって、仕事に熱中しだしたら、
「荒魂」が再活性化して、家族を顧みないのでは?と思ってしまうのでした。

結論

「還暦ニート」は、不幸ではないというのが(現時点で)私の出した結論です。
人生の終盤で、後悔や無念に押しつぶされそうになるのは、
誰しもそうなのではないのか?というのが私の考えです。


蛇足ですが、鴨長明のような、山小屋の引きこもり生活に最上の喜びを見つけるという
生き方もあるので、「還暦ニート」だけでなく誰もが、考え方次第で

十分幸福を感じることはできると思われます。
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とはいえ、死が近づいてきた時の後悔は、辛いと思うので
定期的に、自分の「魂」の声を聞き、癒し、行動することが大切なのかもしれません。


<元の記事>

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